労災保険

ストレスの多い社会で、
仕事が原因により、うつ病を発症することは珍しくありません。
うつ病になると、治療に専念することになり、
働くことはむずかしくなります
そんな働けない状況で、
生活費や治療費はどうしたらよいのでしょう
そんな時に知っておきたいのが『労災保険』
今回は労災保険を解説していきます
| 金額は? | だいたい給料の80% + 療養にかかった費用 |
| 申請のタイミング | 病気の診断を受けた時点で会社に報告(基本、会社が申請をする) |
| いつもらえるの? | 早ければ1ヵ月、認定が長引き半年〜1年になる場合もある |
| さかのぼれる期間 | 2年(休業、療養に関しては) |
| 条件 | ①認定基準の対象となる精神障害を発病していること |
| ②発症前、だいたい6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められること | |
| ③発病の原因が業務以外や個人の要因によるものではないと認められること | |
| 窓口 | 労働基準監督署 |
目次
労災保険とは
仕事や通勤中による病気やケガで、
働けない場合に支給されるのが労災保険です
健康保険である傷病手当金との違いは
原因が仕事にあるのか、それ以外(プライベート)に原因があるのか
金額は?
金額は普段もらっている給料の80%くらいが目安
それに加え療養にかかった費用がもらえます
健康保険(傷病手当金)の場合には治療費の一部は自己負担ですが、
労災保険により治療する場合は治療費の自己負担はありません
いつもらえる?
労災の認定には、1〜3ヶ月程度の期間がかかると言われています。
ただし、これは単純な事故であった場合です。
ストレスによる、うつ病などの業務との関連性が不明瞭である場合には、
労災の認定まで半年〜1年以上かかることもあります。
申請するタイミング
うつ病という診断を受けた時点で会社に報告し、
会社が申請をする

会社が労働災害を認めず、
手続きをしてくれない場合には、
労働基準監督署に直接申請することが可能です
関連リンク:全国労働基準監督署の所在案内
2年以内に申請しましょう
ここで注意しておきたいのは
「労災保険には時効がある」ということ
給付にはいくつか種類がありますが、
うつ病で多く請求される
療養給付と休業給付はそれぞれ2年間が時効です
例えば治療費(療養給付)に関しては、
治療費が確定した日の翌日から2年
働けなかった日の補償(休業給付)に関しては、
休んだ日毎にその翌日から2年が、
さかのぼれる期限です











さかのぼって申請することができるよ
申請の流れ
- 会社に病気であることを報告
- 病院で診断書を作成してもらう
- 労働基準監督署に労災申請をする
- 労働基準監督署による労災認定
- 労災保険の給付
参考資料:労災保険請求のための ガイドブック
①会社に病気であることを報告
仕事が原因で病気であることがわかったら、
すぐに会社へ報告しよう
②病院で診断書を作成してもらう
仕事が原因の場合、病院で診断書を作成してもらおう











無償で医療サービスを受けれます
関連リンク:厚生労働省 労災保険指定医療機関検索
指定外の医療機関であっても、
自己負担した分については、後ほど労災の給付で返ってきます
③労働基準監督署に労災申請をする
通常、労災の手続きは会社が行います
しかし、会社が労災の手続きをしない場合には、
自分で労働基準監督署に労災申請をする必要があります











厚生労働省のホームページからダウンロードすることができるよ
関連リンク:災保険給付関係請求書等ダウンロード













あと病院や農協などに用紙がおいてあるよ
④労働基準監督署による労災認定
本人、または会社から労災の請求書が提出されたら、
次に労働基準監督署の調査があります
調査は、本人や会社に対して、
また治療した医療機関に対して行われます











定めた基準にもとづいて行われます
⑤労災保険の給付
労働基準監督署によって労災が認められると、
労災保険の給付が行われます











必要書類
| 労災保険の種類 | 必要な書類 | 提出先 | |
| 療養(補償)給付 | 労災指定病院で受診した場合 | 様式第5号 | 治療を行なった病院 |
| 労災指定病院以外で受診した場合 | 様式第7号 | 労働基準監督署 | |
| 休業(補償)給付 | 様式第8号 | ||
関連リンク:災保険給付関係請求書等ダウンロード
会社(事業主)からの証明が用意できない場合
労災保険の給付には会社(事業主)からの証明が必要です
ただ、業務と傷病との因果関係が認め難いことを理由として、
会社から事業主証明を拒否される可能性もあります
そういった場合には、
会社が証明を提出しなかった理由を記載した
「証明拒否理由書」を用意して申請書を提出します
退職していても、
在職中に発生した事故等に関しては会社に事業主証明をもらうことが可能です
証明を取得できない場合には、証明拒否理由書を提出します
条件
労災保険は働いて賃金の支払いを受ける人すべてが対象です











雇用形態に左右されません
精神障害に関する労災認定は
「心理的負荷による精神障害の認定基準」によって判断します
精神障害の労災認定基準は以下の通りです。
- 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
- 発症前、だいたい6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められること
- 発病の原因が業務以外や個人の要因によるものではないと認められること
認定基準の具体的な判断方法は、
厚生労働省のホームページに掲載されているので確認してみてください
関連リンク:厚生労働省 精神障害の労災補償について
労災として認定されなかった場合は?
労働基準監督署に労災として認定されなかった場合には、
不服申し立てを行うことができます
不服申し立ては3ヶ月以内に
労災として認定されなかった場合、
再度申請をすることは可能です
ただし、労働基準監督署への再審査手続き(不服の申し立て)は、
3ヶ月以内に行う必要があります
再審査の手続きは、
労働基準監督署に再審査請求書を提出するだけです
関連リンク:再審査請求書等
再審査請求で認定が覆らなかった場合
労働者災害補償保険審査官(厚生労働相に任命された審査官)に、
審査のやり直しを請求することができます
労働者災害補償保険捜査官による審査でも覆らない場合
国の労働保険審査会(労災保険や雇用保険の給付に関して第2審として審査を行う国の機関)に再審査を申し立てることが可能です
参考:労働保険審査会
それでも結論が覆らない場合には、行政訴訟を起こすことができます。













あと傷病手当金を利用する人が多いのも、このやり取りに疲れるからかもしれないね
弁護士に相談する
労働基準監督署に審査請求しても認められない場合には、
弁護士などに相談することも一つの手段です
専門知識を有した弁護士に相談することで、
手続きや、やり取りで役に立つアドバイスをもらうことができます


最後に
労災保険を請求する際に、改めて考えて欲しいこと
- 仕事の仕方や適切な職場環境
- どんなことをストレスに感じたか
- どのような対処方法が考えられるか
労災保険の請求が通るかどうかも大切ですが、
今後どのように働いていくかの方が重要です


体調が安定してからゆっくり振り返ろう
この経験を次につなげる糧にすることは、
仮にまた合わない環境で働くことになったとしても、
症状がひどくなる前に対処できるようになります















